・タイにはノマドビザがある?
・申請要件のハードルは高くないの?
そんな論争がここ数年続いていたタイのビザ事情ですが、ついに2024年7月、タイに新しいデジタルノマド向けのビザ制度が開始しました!
『DTV』と呼ばれるものがそれに該当し、正式名称は「Destination Thailand Visa(デスティネーションタイランドビザ)」。頭文字を取ってDTVとされています。
要件のハードルや費用も下がり、圧倒的にノマドが長期ビザを取得しやすくなりました…!
この時を待ち侘びてました!
また、もう1つが『タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)』という、5~20年の長期で滞在できるビザ。こちらもノマド向けのビザとなっています。
私は実際に、『タイランドエリートビザ』を取得してタイに滞在しています!
正直、DTVができた現在は、コスパでみるとDTVが圧倒的に有利ですが、1つの選択肢としてご紹介します。
今回はこの2種類のノマド向けビザについて、取得方法や要件、特徴などについて徹底解説していきます!
私もこの件についてはかなり悩んで、調べつつ、実行してきた身なので、
これからタイに長期で住みたい方の、参考になれば嬉しいです!🌱
はじめに:タイの通常の入国ビザ(観光ビザ)基本情報
まず、日本のパスポートを持つ私たち日本人は2024年12月現在、タイにビザなしで入国することができます。
タイには「ビザなし」で60日間滞在できる(+30日の延長可能◎)
2024年12月現在、タイにはビザなしで60日間滞在することができます。
さらに1度延長することで、「90日」まで滞在することが可能です。
DTVの発給と同じタイミングで、ビザなし滞在可能期間も伸びました。(以前は30日)
タイがノマド・フレンドリーに近付いています🇹🇭
それ以上タイ国内に滞在する場合は、観光目的ではなく、長期滞在の目的と見なされる可能性が高くなってきます。
延長の回数は明確に決まってはいないようですが、審査官の判断により
- 延長ができない
- 注意喚起
- 厳しい場合は入国拒否の可能性
なども。
本来、長期滞在をする場合は観光ビザではなく別のビザの取得が必要なもの。
そのため、ただ延長すれば良いというものではなく、目的に合わせて正式なビザを取得することが原則となります。
拠点を持たず、ノマドとして生活する人は世界的に増えているものの、未だ法的にスタンダードにはなっていないのが現状。
ビザ取得の目的は個人の考えによるものであって、結果グレーになってくる部分もありそうです。
① DTV(Destination Thailand Visa)解説
DTVとは?
DTV(Destination Thailand Visa)は2024年7月15日〜開始した、タイへの長期滞在を目的とするデジタルノマドやフリーランス、リモートワーカーに向けた、最もコスパ良く最適といえるビザ。
タイでの文化活動の参加者、またその配偶者も対象に当たります。
費用も、タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)と比べて圧倒的に安いため、2024年12月現在、要件を満たすデジタルノマドの方はDTVを選択することを最もおすすめします◎
今までは、ノマド向けビザがあるようでないような状況だったので、
割と革命的なビザが出来たと、界隈で話題となった印象です。
DTVの運用開始以降、何だかんだ取得した人は少ない印象でしたが、ここ最近になって周囲でも「DTVを取得した」と言う話をよく耳にするようになりました!
🇹🇭 DTVの特徴
まず、DTVの特徴を表にまとめます。
ビザの有効期間 | 5年 |
ビザの種類 | マルチプルエントリー |
1回の入国あたりの滞在期間 | 180日 |
延長の可否 | 可能(1回の滞在につき1回) |
申請場所 | タイ王国大使館/領事館 またはタイの公式e-visaサイトを通じてオンラインで申請可能 (タイ滞在中/日本のパスポートではオンライン申請不可) |
主なビザ保持者の最低年齢 | 20歳 |
配偶者・家族向けビザ | 有◎ |
申請費用 | 10,000バーツ / 52,000円 |
※ DTVは、タイにおいて一種の特別な観光ビザとなります。
つまり、DTV保有者はタイの労働許可証を取得してタイの企業で働いたり、タイの顧客に対してフリーランスの仕事をすることは禁止されています。
DTVは、5年間のマルチプルエントリービザ。1回の入国につき、180日間の滞在が可能です。
尚、1年の間に180日しか滞在ができないという訳ではなく、
- 1度出国→入国する度に180日の日数はリセットされる
- 1回の入国で滞在期間が180日を超える場合、領事館で+180日の延長ができる(費用は1,900Bの手数料のみ)
ということになります。
入国回数に制限はなく、5年間は自由に入国ができることになります💡
👤 DTVの対象者
- タイを拠点に仕事をするデジタルノマドやフリーランス、リモートワーカー、高スキル保持者
- タイの文化活動(ムエタイ、格闘技、護身術、料理学習、スポーツ学習、治療、研修、セミナー、芸術・音楽活動等)に長期で参加する方
- 上記の配偶者、およびその20歳未満の子ども
☑️ DTVの申請要件
50万バーツ以上(=約250万円)の銀行残高証明
(もしくは同額以上の旅費を支援する証拠、同額以上の保証人を有する証拠)
✍️ DTVの申請方法
タイ王国大使館/領事館、またはタイの公式e-visaサイトを通じてオンラインで申請可能。
※タイ滞在中はe-visaでは申請できない・日本にいる場合も対象外とのことでした。そのため、基本的にDTVの申請は、最寄りのタイ王国大使館/領事館に行く必要がありそうです。
申請先の大使館/領事館によってフォームの形式が異なるので、申請先のサイトを読んで必要な書類を揃えることをおすすめします!
書類の不備がある場合は教えてくれるので、ひとまず分かる範囲で揃えて行く。
→ 不備があったら再訪問。
これを何度か繰り返す可能性も高いと思いますが、ビザの申請系はそれが平常だと思った方が良さそうです🙆♀️
最初は私も慣れませんでしたが、行けば何とかなるので、ファイトです!
申請に必要な書類の例
- 有効な旅券とパスポートの顔写真ページのコピー 1部
- 申請書(Visa Application Form)
- 証明写真 1枚
- 経歴書(Personal History)
- 申請者名義の英文の銀行残高証明書 原本
- 職業を証明するための該当書類
- 航空券予約確認書のコピー
- タイ滞在期間中の滞在先を証明する書類
- 身元保証書原本 (Guarantee letter) と保証人の署名入りの身分証明書のコピー
- タイの文化活動参加者に該当する場合:受け入れ先(組織、学校、医療機関など)からの招聘状(アポイントメントレターなど)
⚠️ 最新の情報は、申請先の各大使館/領事館のサイトご確認ください。
② タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)解説
タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)とは?
タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)は、2003年〜開始した、外国人の長期滞在向けのプログラム。
簡単に言うと、少し高いですが、お金さえ払えば5~20年のビザが取得できるものです。
運営はタイ国政府観光庁の直営の「タイランドプリビレッジカード株式会社」。申請先は大使館や領事館ではなく、こちらの企業に申請される形になります。
申請は幾つかのエージェントが対応しています!
①で解説したDTVができ、さらに2024年に更に値上げがされた今、長期ビザ取得のコスパとしては圧倒的に劣りますが、タイの空港での優遇や空港からの送迎サービス、ショッピング、マッサージなどさまざまな優待特典を受けることができるメリットもあります。
🇹🇭 タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)の特徴
タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)の特徴を表にまとめます。
ビザの有効期間 | 5年/10年/15年/20年 (プランにより異なる。5年ビザを該当プランにあたる回数分取得可能) |
ビザの種類 | マルチプルエントリー |
1回の入国あたりの滞在期間 | 1年 |
申請場所 | 【紹介特典あり】紹介後、メールに連絡が行き、申請もすべてメールや電話でのやり取りになります。 公式サイトのフォームからも問い合わせが可能です。 |
配偶者・家族向けビザ | 有◎ |
申請費用 | 90万~500万バーツ (プランにより異なる) |
👤 タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)の対象者・申請要件
タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)の取得条件は、費用を除いて厳しくはありません。
年齢制限も特になく、次の条件を満たしていれば、誰でも申請することが可能です◎
- 心神喪失者、無能力者、準無能力者と宣告されていないこと。
- 過失による犯罪を除き、各国において禁固刑の判決を受けたことがないこと。
- 自己破産による権利失効中でないこと。
- 外国のパスポートを所持していること。(パスポートの有効期間が1年以上かつ3ページ以上の白紙ページがあること)
- タイの出入国管理法または関連法に基づき、タイでの滞在が許可されていること。
🕊 タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)の5つのプラン
タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)には、現在5つの会員プランが存在します。
ここではそれぞれの特徴を、表にまとめます!
ブロンズ会員 | ゴールド会員 | プラチナ会員 | ダイアモンド会員 | リザーブ会員 | |
---|---|---|---|---|---|
会員期間 | 5年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 |
入会金 | 65万バーツ | 90万バーツ | 150万バーツ | 250万バーツ | 500万バーツ |
付帯会員 | – | – | 100万バーツ | 150万バーツ | 200万バーツ |
会員権の譲渡 | – | – | – | – | 可能 |
会員プランのアップグレード ※条件あり | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
特典 | ブロンズ会員 | ゴールド会員 | プラチナ会員 | ダイアモンド会員 | リザーブ会員 |
---|---|---|---|---|---|
エリート・パーソナル・アシスタント(EPA) | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
プレミアムレーン(ファーストレーン) *スワンナプーム・チェンマイ・プーケット国際線利用時 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
富裕層向けの資産に関するアドバイス | – | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
メンバーコンタクトセンター(MCC) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ 専用ライン |
90日レポート代行(バンコク・パタヤ・チェンマイ・プーケット) | 有料 | 1ポイント利用で◯ | 1ポイント利用で◯ | 1ポイント利用で◯ | 1ポイント利用で◯(ピックアップサービス付き) |
無料特典 | ブロンズ会員 | ゴールド会員 | プラチナ会員 | ダイアモンド会員 | リザーブ会員 |
---|---|---|---|---|---|
年1回の健康診断 | – | 会員期間中1回 | 会員期間中1回 | 会員期間中1回 | 年1回 |
Anantara Vacation Club の1泊無料権 ※初年度のみ | – | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
誕生日プレゼント | – | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
映画チケット(1枚購入で+1枚無料) | – | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
モスバーガー(1個購入で+1個無料、月1回) | – | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 |
事故保険 ※初年度のみ | – | 180日 | 180日 | 365日 | 365日 |
ショッピング・アシスタント / ラウンジ / 駐車場 | – | 要事前予約 | 要事前予約 | 要事前予約 | 要事前予約 |
コワーキングスペース利用 | – | – | – | 4回まで | ◯ |
大手デパート・レストランでの割引 | – | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
その他、タイランドプリビレッジ(旧タイランドエリートビザ)はポイント制になっており、ポイント利用で受けられる送迎・レストラン・スパ・ウェルネスなどのさまざまな特典があります。
✍️ タイランドエリートビザの申請方法と流れ
私が実際に申請した時の流れを、簡単になステップにまとめました!
- 招待を受ける / 問い合わせフォームから連絡
- 申請書をダウンロードする
- 記入&スキャンした申請書・パスポートの写真・証明写真をメールで送付
- 移民局の承認を待つ(4~8週間と長め)
- 承認の連絡が来たら、支払いを行う(銀行送金 / クレジットカード)
- 支払い完了の証明(スクショ)を送り、審査を待つ
- Approval Letterをメールで受け取り、入会完了!
その後、カードやエリートキットが届くのには数ヶ月かかりました。
それまでの間は、Approval Letterやパスポートのシールを証明書として利用していました。
その他にタイに滞在する方法は?
2種類のノマド向けビザについては分かったけど…
まだ完全にタイに移住すると決めた訳でもないし、それにしては要件や費用のハードルが高い!
そんな方も多いのではないかと思います。
実際、私もそうでした!
いきなり長期ビザを取得した訳ではなく、それまでは色々な国を転々としながら、数週間〜数ヶ月単位で試住的に生活をしていました。
そんな方に、上記どちらかの方法に決める前に、もう1つ提案できる方法があります。
それは、タイ国内の学校に通いながら、長期的に滞在してみることです。
つまり、「タイで留学する(=学生ビザを取得する)」ということになります!
とはいっても、今は観光ビザの期間も60日に延びているので、観光ビザでも十分かとは思いますが、学生ビザであれば3ヶ月、半年、1年などとより長期のビザを取得することができます。
こちらについては、別記事で解説しようと思いますが、簡単に情報を掲載しておきます↓
タイでできる留学の種類
タイで留学をするとなった時、
何を学べばいいの?
というか、タイで何を学べるの…?🇹🇭
と思うかと思います。
英語留学といえばカナダ、オーストラリア、フィリピンなど、英語圏でのイメージがありますし、「タイに留学する」という話はなかなか聞かないですね!笑
ですが、タイ留学では学べることの選択肢が意外と豊富にあります。
例えばこんな感じ。
- タイ語
- 英語
- マッサージ
- 料理
- ムエタイ
- セルフディフェンス
後半はなんかすごい変わってますが…、実際にこれらをタイ留学として学ぶことができます!
1番無難だと思うのは、「タイ語」。
これから長期的にタイに住むとなった時、お店やレストランでの会話など、ある程度基本的なタイ語を学んでおくのには良いきっかけになります◎
私は英語と迷った結果、コスパも良かったタイ語を半年間学んでいました!
チェンマイの『TSL』というスクールで、日本人オーナーのスクールになります。
オーナーさんも、生徒の方も、とても親切でおすすめです。
タイ留学の方法
それでは、タイ留学で学生ビザを取得する方法ですが、ここについてはご自身で気になる学校を調べ、申請方法を問い合わせていただく必要があります。
私が知っている範囲になりますが、チェンマイの語学学校をいくつか挙げておきます!
タイ・チェンマイで語学を学べる学校3選
- TSL
- Pro Language School
- チェンマイ大学
問題は、「ビザ取得を目的に、実際は勉強をせずに、学校にお金を払ってビザだけ取得する」というのが多発している状況があるよう。これにはタイの政府も目を光らせているとのことです…!
くれぐれも、学生ビザはタイで留学をするためのビザなので、ぜひご自身で考えて選択するようにしてください!
まとめ:自分に合ったビザを選ぼう!
タイに長期滞在するための、2種類のノマド向けビザ(DTV・タイランドエリートビザ)について解説しました!
私も何ヵ国か東南アジアをメインに周遊しましたが、タイはやっぱり住みやすくて本当にいい国…!!
これから移住を検討する日本人も、どんどん増えるのではないかと思います。
今回の記事が、長期ビザの検討や申し込みの際の参考になれば幸いです!
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